「嫌われる勇気」という本は、人間関係においての新たな見方や生き方を提示し、読む者に深い気づきを与えます。私にとってこの本が特に心に響いたのは「承認欲求」というテーマについてです。私たちは多かれ少なかれ他者からの承認を求めて生きているものですが、アドラー心理学が提案する考え方は、これを手放すことの重要性を説いています。私は「嫌われる勇気」を読み、承認欲求について知り、自分が承認欲求の塊になっていたことに気づきました。ここでは、「嫌われる勇気」が教えてくれた承認欲求の真実と、それに基づいた実践について述べていきます。
承認欲求とは何か?
私たちは誰しも他人に認められたいという欲望を持っています。それは、自分の存在意義を見出す手段として機能します。学校で優等生として賞賛されることや、職場で成果を評価されること、SNSで「いいね」やフォロワーの数を気にすることなど、これらは全て承認欲求の表れです。しかし、アドラーはこれらを「他者からの評価」に依存することで、自分自身を見失う危険性を指摘します。
承認欲求に囚われるとどうなるか?
「嫌われる勇気」によると、承認欲求は私たちを他者の価値観や評価に縛り付け、自由な生き方を妨げます。例えば、職場で上司の機嫌を伺い、指示に従いすぎて自分の考えを抑えてしまうことや、友人関係で常に相手に合わせて疲れてしまうことは、すべて承認欲求が影響していると言えるでしょう。この状態では、自分が本当にやりたいことや、心から感じる充実感を得るのが難しくなります。
アドラーは「他者からの評価を求めるのではなく、自分自身で自分を認めることが重要だ」と述べています。これは、他者の評価に左右されず、自分の信念に基づいて行動する勇気を持つということです。この考えを最初に知ったとき、私には少し衝撃でした。社会の中での自分の立ち位置や評価が、いかに大きなウエイトを持っていたかを痛感させられたからです。
私の実体験:承認欲求に囚われた日々
私は長い間、仕事や人間関係において他者からの評価を意識していました。例えば、職場で評価されるために過度に頑張り、残業や無理なスケジュールをこなすことが常態化していました。上司の評価や、周りの同僚との比較に一喜一憂し、自分自身の価値を他者の評価に依存していました。
また、私は「いい子でいよう」として常にYesマンになっていました。職場での頼みごとに対しても、プライベートの関係でも、Noと言うことを避けていたのです。しかし、ある時Noと言っても嫌われなかったという経験を通じて、「必ずしも他人に合わせなくても良いのだ」ということに気づきました。それ以降、職場の飲み会の2次会には行かないと決めたり、仕事においても必要な時にはNoと言えるようになりました。
相手から嫌われないように生きていた私は、自分の考えや気持ちを後回しにし、時々自己嫌悪に陥り、うつ状態に近い気分になることもありました。気持ちが落ちて誰とも会いたくないし、話したくない日があったのです。
しかし、この状態は長く続くものではありませんでした。心身共に疲弊し、「自分は誰のために働いているのだろう?」という疑問が頭をよぎるようになったのです。そんな時、「嫌われる勇気」を手に取り、アドラーの「承認欲求を捨てる」という教えに触れました。その言葉は私にとって、目から鱗が落ちるような体験でした。
承認欲求を手放す実践
アドラーの教えを実生活に取り入れるためには、「課題の分離」という概念が役に立ちます。他者の評価は他者の課題であり、それを気にするのは自分の課題ではない、という考え方です。この理論をもとに、私は次のような実践を始めました。
- 他者の反応を気にしすぎない
例えば、会議で自分の意見を述べるとき、「この発言はどう思われるだろう?」と考えるのをやめ、自分が本当に伝えたいことを率直に話すようにしました。この小さな変化が、徐々に私の心の負担を軽減しました。 - 自分を評価する
自分の行動に満足できるかどうかを基準にしました。仕事で結果を出せなかったときでも、自分の努力や過程に満足していればそれで良いと考えるようにしました。すると、不思議と結果への執着も減り、よりリラックスして仕事ができるようになったのです。
自分軸で生きる難しさと価値
もちろん、承認欲求を手放すのは簡単なことではありません。特に、他者からの評価が直接的に自分の生活に影響を及ぼすような状況では難しい部分もあります。例えば、職場での昇進や報酬が評価に基づいている場合、それを無視することは現実的ではありません。
それでも、承認欲求を少しずつ減らすことで、自己信頼が高まり、他人の目を気にせずに行動できる自分に気づきました。特に、家族との時間や趣味に没頭する時間において、他者からの評価ではなく、純粋に「自分が満たされること」を優先できるようになったのは大きな変化でした。
最後に:嫌われる勇気の本質
「嫌われる勇気」というタイトルは、誤解されやすいかもしれませんが、決して「他人を否定して好き勝手に生きろ」という意味ではありません。むしろ、自分の人生を自分の価値観に基づいて真剣に生きることを意味しています。その過程で、他人の承認を求めるあまり、自分を見失うことを避けるために、自分の軸を持つ勇気が必要なのです。
承認欲求を手放し、自分軸で生きることは時に孤独に感じることもあります。しかし、その先には、他者に振り回されない自由な生き方が待っています。「嫌われる勇気」は、私にこのことを教えてくれました。そして、その教えを少しでも実践し続けることで、私は自分の人生を取り戻しつつあります。承認を求める日々から、自己信頼の道へと、一歩ずつ歩みを進める価値は計り知れません。
- 承認欲求を手放すことで、自分自身を見失わずに生きることができる
- 他者の評価に依存しない生き方を目指すことで、心の負担が軽減される
- 「課題の分離」によって、他者の課題と自分の課題を区別する
- 自己評価を重視し、他者の目を気にせず行動することが大切
- 承認欲求を完全に捨てることは難しいが、認識し向き合うことが成長の一歩
おまけトーク
承認欲求を完全に捨てるのは難しいんですよね。
でも、少しずつ自分の中で「今、承認を求めているな」って認識するだけでも、かなり心が楽になります。
無理に変わろうとするのではなく、まず自分の感情を認めることが大切なんだなって感じています😊
んじゃ、またねー!